三谷
【みたに】

旧国名:越中

庄(しよう)川扇頂部右岸の山手に接する南北に細長い河岸段丘上に位置する。牛岳から流れ出る谷内(やち)川がこの地の北辺を貫流して庄川へ注いでいる。この川は庄川東流以前般若野(はんにやの)荘を潤したという。歌人西行の従者西住はこの地の出身との伝えがある。嘉応２年，主従が諸国行脚の折ここへ杖を止め，西行が「折り焚かん室井の山の柴枝を」と呼んだところ，西住ただちに「ふた谷の奥三谷川まで」と続けた。西住はいたくその才能を賞讃して村人に語ったので，この村を三谷と呼ぶようになったという（庄川町史）。集落の北端に西行塚がある。
【三谷(中世)】　南北朝期から見える地名。
【三谷村(近世)】　江戸期～明治22年の村名。
【三谷(近代)】　①明治22年～現在の大字名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7084683