西海村
【さいかいむら】

(近代)明治22年～昭和29年の羽咋(はくい)郡の自治体名。能登半島中央部の西側の海岸段丘上に位置する。地名の由来は，江戸期にこの地域を西浦七浦と称したことにより，当村を西海村，その北側を西浦村とした（羽咋郡誌）。千浦(ちのうら)・風無(かざなし)・風戸(ふと)３か村が合併して成立。旧村名を継承した３大字を編成。大字風無に役場設置。海に面し松ケ下・地下ノ澗などの天然の港に恵まれていることから漁業が盛んで，漁船数は明治33年108艘・同42年103艘，漁業従事者も同44年で専業50戸・100人，兼業136戸・136人と多い。漁獲高は明治33年８万1,910貫（１万270円）・大正５年17万180貫（３万228円）であった（富来町史）。昭和23年大字千浦の一部から大字久喜(ひさき)を起立，４大字となる。戸数・人口は明治22年399・1,775，大正９年309・1,480。昭和28年385世帯・1,855人。同29年富来(とぎ)町に合併。４大字は同町の大字名に継承された。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7087238