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豊原
【とよはら】


旧国名:越前

加越山地の西中腹斜面平坦部,井勝川上流域の山間に位置する。当地は豊原寺の寺域として成立。豊葦原を略して豊原と号したという。豊原寺は大宝2年泰澄の創建という。平安中期以降比叡山の末寺になり,平泉寺とともに越前の白山信仰の拠点となった。中世の隆盛期には豊原三千坊と称され吉谷・赤坂にまで及んだという(白山豊原寺縁起)。当地はその門前町として栄えた。戦国期には一向一揆の拠点となって天正3年織田信長の焼打ちに遭い,残らず灰燼に帰した。その後丸岡に入封した柴田勝豊は当地に豊原城を築くが,翌年手狭なため丸岡城に移る。その際寺社はもちろん住民も丸岡城下に移って,跡地に田畑が開かれ当村が成立した。当村の南方に豊原寺の塔頭華蔵院があった。東方の権現山には豊原5社(現白山神社)があり,下の3社と合わせて豊原8社と呼んだ(丸岡町史)。当村には北方の三上(さんじょう)城跡(三上山),中央の西ノ宮城跡,西南方の雨乞山城跡の3城跡がある。地字に親如坊・護摩堂・坊屋敷・寺口・大師山などがある(丸岡町めぐり)。
豊原村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
豊原(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7093992