梅丈岳
【ばいじょうだけ】

三方郡三方町と美浜町との境にある山。標高395m。三方五湖で最大の水月湖の北,常神(つねがみ)半島の付け根にそびえる。もと五十八(いかはち)山と称し,のちに万丈岳と呼ばれるようになり,明治6年より梅丈岳と定められた。「若狭郡県志」や「若狭国志」には五十鉢山と見える。五十八山は南麓の海山(うみやま)の集落名五十八によるか。観光客には三方富士の名で知られる。周囲一帯は古生代の地層に属する頁岩・砂岩などの互層から成り,東西に走る断層もある。「三方郡誌」には弘化2年ごろに四国の別子より坑夫を呼び寄せ黄銅鉱を採掘した廃坑が山の東南麓にあると記す。かつては塩木切りの杣道や油桐の実を採取するための小道が通じていた程度だったが,昭和43年5月に美浜町笹田と三方町海山とを結ぶ三方五湖レインボーラインが開通し,山頂部に休憩所・展望台・駐車場などが整備された。山頂から若狭湾や三方五湖を一望にし,360°の展望が楽しめるため,多くの観光客が訪れ,定期観光バスも運行されている。山麓の海山には国民宿舎梅丈ロッジがある。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7094442 |