村国山
【むらくにやま】
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光善寺(こうぜんじ)山,また芦山(ろざん)ともいう。武生(たけふ)市街の東に日野川を挟んで位置する標高238.9mの山。南北約1,750m,東西約1,300m。沈降した山地の山頂部に当たり,周囲の日野川によって埋積された沖積平野の中に孤立する。山名は北西麓の集落村国によるか。山の大部分は村国に属している。異称の光善寺山は興禅寺によるというが,寺の北東丘上の光善寺山城によるものか。芦山は芦山公園開設後の新しい呼称である。北東端の八王子山や長尾山,北西端の北山,東麓の大屋などにも古墳があり,村国山古墳群と総称される。また,国府や盆地を望む要害として,中世の城跡も多い。北西部の四十八谷に曹洞宗興禅寺があり,その上は武生市民の憩いの場である芦山公園となる。四季を通じて訪れる市民が多く,武生市街の展望がよく,眼下には日野川の清流をおさめることができる。公園から西側の山麓には住宅街がひな段状に南へと続く。山頂付近までは北側と西側から車で登れる。南側には南越地方の商業センターの役割を果たす問屋団地があり,東には北陸自動車道の武生インターチェンジが近い。さらに,このインターチェンジの南側に隣接して北陸新幹線の南越駅舎を作る構想があり,周囲は急速に市街化が進もうとしている。
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![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7095417 |