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赤岩村
【あかいわむら】


旧国名:信濃

(近世)江戸期~明治9年の村名。小県(ちいさがた)郡のうち。烏帽子岳南麓の扇状地東端,大石沢川流域に位置する。地名の由来は,干曲川北岸の赤色断崖によるという(県町村誌)。寛文10年に芝生田(しぼうだ)村より分村。小諸藩領。村高は,「旧高旧領」263石余,江戸期の郷帳類では芝生田村の高のうちに含まれていた。集落は千曲川北岸上の赤岩本郷と東方の北国街道沿いに分かれた赤岩新田とからなる。元禄16年の牧野康重新知郷村引渡証文(県史近世史料2-1)によれば,芝生田村のうちに当村分として高136石余,新田111石余,寺社は弁才天・諏訪(現赤岩神社)・十二権現・愛宕,観音堂があった。西行屋敷は伝承に西行が当地に居住した名残の地という。赤岩本郷から幕末の刀匠山浦真雄・清磨兄弟が出た。真雄は上田藩・松代藩に仕え名作を残した。清磨は江戸に住し「四谷正宗」の名を得た。寺子屋は文化5年から安政元年まで赤岩新田にあった。幕末~明治期にかけて養蚕業が盛んになり,明治3年蚕影様が建立された。同4年小諸県を経て長野県に所属。同7年の耕地は田55町余・畑60町余で,ほかに山林6町余,地租米79石余(10石余は正米納,69石余は代金476円余),雑税1円余(県町村誌)。同9年滋野村の一部となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7098869