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紺屋町
【こんやまち】


旧国名:信濃

(近世)江戸期~明治9年の町名。上田城下の一町。城下町の西端,城下を東から西に流れる矢出沢川の左岸に沿った町人町。海野郷の染物業者金沢氏がこの地に移されて成立。町名は移住した紺屋職人に由来する。原町分となっているが,年寄役は独自に出した。北国脇往還筋の原町・柳町に続き,城下西の入口にあたる。宝永3年紺屋町口と東端の常田口(ときだぐち)に番所が置かれ,口取りのない馬に乗っているものは下馬して通過することが命じられている。寛文3年の上田領戸口改(県史近世史料1-1)で,戸数26,人数は男98・女124・奉公人11・社人1の合計234。宝永3年の上田御城下差出帳(同前)では,戸数46,人数は男179・女146の合計325。同7年は,戸数51・人数294,宝暦5年は戸数54・人数354(上田市史)。なお先の宝永3年差出帳によれば,紺屋10人がおり,町名にふさわしい状況にあった。また社人1人は,町の中ほど北側,矢出沢川の対岸にある八幡宮の神主で,町からの出口に木戸が設けられ,参詣のための専用の橋が架けられていた。この八幡宮は,小県(ちいさがた)郡海野郷から真田昌幸が上田城鎮護のために移したという(上田市史)。江戸末期には,町の西隣りが町場化して下紺屋町と呼ばれるようになり,これまでの紺屋町は上紺屋町とも称された。明治9年上田町の一部となる。なお現在も通称として用いられている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7100848