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伊勢路
【いせじ】


伊勢街道ともいう。中山道の関ケ原宿より分かれて東海道の伊勢桑名(くわな)に至る街道。当路は現在関ケ原のほぼ中央に位置する公門(くもん)から分かれているが,古くは不破の関の東側を通っており,関跡の横に字名「伊勢街道」がある。当県内には牧田(まきだ)宿があり,伊勢路の要所のみならず,栗笠・舟付・烏江の三湊に通ずる牧田街道(美濃中通り)の分岐点でもある。伊勢路は牧田宿より沢田―桜井―津屋―志津―徳田―太田を過ぎて伊勢多度―桑名に至る道路と,一之瀬―多良(たら)―時(とき)を過ぎて養老山地の西を通る道路の2筋がある。後者は現在多良峡を通るが,昭和の初めまで勝地峠(標高185m)を越えて多良へ入った。伊勢路は西美濃地方の生産物の輸送路,およびお伊勢参り等の脇往還として重要なものであった。上石津町の一之瀬に織豊期の京都奉行を勤めた桑原氏の館,同町の宮に旗本高木氏の邸跡がある。関ケ原合戦の時,島津豊久と惟新は当路を逃れたが豊久は一説によると樫原(かしわら)まで逃れて自害し,郷士三輪一斎らによって瑠璃光寺に葬られたともいう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7104464