上野河戸
【うえのこうず】

旧国名:美濃

上川戸・上野郡戸とも書く。揖斐(いび)川支流津屋川右岸，養老山地東麓の扇状地に位置する。西の山麓に奈良期創建の行基寺があり，古墳も数基発見されている。また日本武尊の伝承地「杖つき坂」がある。地内寒窓寺付近にはかつて温泉があったが，慶安３年洪水により土砂が流入しつぶれたという（寒窓寺文書）。現在も元湯屋町の地名が残る。近世初期尾張名古屋築城の折，背後の養老山地から多量の石を切り出し，その搬出場の跡が現在も地内の川岸に残っている。
【上野郡戸郷(中世)】　織豊期に見える郷村名。
【上野河戸村(近世)】　江戸期～明治30年の村名。
【上野河戸(近代)】　明治30年～現在の大字名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7104661