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長滝寺
【ながたきじ】


郡上(ぐじよう)郡白鳥(しろとり)町長滝にある白山長滝神社境内の寺。越美南線の北濃駅の南1km,国道156号沿いにある。寺名は,「白鳥町史」に「泰澄神女のお告によって西北の山中に飛瀑(阿弥陀ケ滝のことで,この時にはじめて長滝と称した)を見出だし,その祥瑞に感じて寺号を長滝寺と称するようになった」とある。養老6年泰澄は白山中宮神社に長滝寺を創建した。当時は神仏習合の考えが強く,白山中宮長滝寺と呼ばれた。天長5年に法相宗から天台宗に代わってからは,白山を修行の道場とする修験道の美濃馬場となった。また天台宗の別院として近隣の国々にある天台宗の寺院を支配し,郡上郡から飛騨地方にかけて1万3,000石の広大な寺領を所有し,人々の信仰を集めた。盛時には神社仏閣30余宇,6谷6院360坊を持っていた。戦国期浄土真宗が盛んになってからは白山信仰は衰えていった。近代になって神仏分離が行われ,長滝寺と白山長滝神社に分かれた。現在,本尊として大日如来と釈迦如来を祀っている。寿永2年木曽義仲は平家討伐のための祈願文を当寺に納めている。明治32年濃州第一とうたわれた神殿仏閣もすべて灰となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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