蠅帽子峠
【はいぼうしとうげ】

這法師峠とも書いた。本巣郡根尾村大河原と福井県大野市との県境にある峠。標高978m。「這越(はいこし)山は越前のさかひにありて名細記に灰ホウジ山とかけり。甚だ高からず，長瀬村の方より小径ありて，能郷(のうご)・大河原等を経，這越山をこえて越前の秋生村に至る」（新撰美濃志）。4km西方の温見(ぬくみ)峠とともにかつて美濃（根尾川流域）～越前間の主要通路であったが，温見峠越えの国道157号が改修されて自動車の通行が可能となったため，ほとんど利用されなくなった。元治元年常陸水戸藩士武田耕雲斎同勢800名が積雪に苦しみながら山越えしたので有名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7107954