東谷
【ひがしだに】

根尾(ねお)東谷川ともいう。本巣郡根尾村北東部を南流する根尾川の支流。武儀(むぎ)郡板取村との境界にある左門岳・明神山西斜面に発し，板屋谷川などの支流を合わせながら南流，同村樽見(たるみ)で西谷と合して根尾川となる。上流部では，下大須南方に北西～南東方向に大河原断層が走り，断層以南の隆起もあって下大須の上流数kmにわたって埋積岩の広い河原が発達，大量の降雨があれば一面の大洪水となる。特に上大須・下大須地区は，昭和34年の伊勢湾台風による罹災以後人口流出が著しく，同30年の戸数81・人口389から同50年の戸数22・人口39に激減。下大須～松田，松田～板屋，板屋～樽見の断層間ブロック山地の横断部は峡谷をなし，上流部との交通を阻害する。下大須～松田間の古生層の輝緑凝灰岩中に，昭和16年特別天然記念物に指定された菊花石を産する。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7108146