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岩水村
【がんすいむら】


旧国名:遠江

(近世)江戸期~明治8年の村名。遠江(とおとうみ)国豊田郡のうち。天竜川下流右岸に位置する。地名は寺号に由来するという。慶長6年浜松領,同14年幕府領を経て,寛永8年からは旗本金指近藤氏領。村高は「元禄高帳」265石余,「天保郷帳」397石余,「旧高旧領」384石余(うち岩水寺領43石)。神亀年間行基の開創と伝える真言宗岩水寺がある。岩水寺は旧名般若院と号した。治安坊覚仁僧都の時,本尊薬師如来の十二大願を表して谷を12に分け,寺を360坊に配する大寺院となった。門前道49町を墾くという(風土記伝)。本尊の薬師如来は,眼病に効くとして遠く三河(現愛知県)・尾張(同前)まで名を知られた。子安地蔵は安産子育ての地蔵として広く信仰を集めている。また子安地蔵には坂上田村麻呂にまつわる有玉伝説がある。明治元年駿府藩領(同2年静岡藩と改称),同4年静岡県を経て同年11月浜松県に所属。明治8年安泰寺村・雲岩寺村と合併して根堅村となる。現在浜北市大字根堅の通称地名岩水寺として残る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7111039