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藁科川
【わらしながわ】


1級河川安倍川水系最大の支流。静岡市と榛原(はいばら)郡本川根町との境界をなす七つ峰に源を発し,静岡市域西部の山地を南流ないし南東流し,静岡市山崎新田で安倍川本流に合流する。流長29.2km・流域面積175.7km(^2)。主な支流には天狗石山に源を発し,川合で合流する崩野(くずれの)川,天狗山に発し中村で合流する諸子沢(もろこざわ)川,洗沢(あらいざわ)に発し坂ノ上で合流する杉尾川,突先(とつさき)山に発し鍵穴で合流する坂本川,清笹峠に発し久能尾(きゆうのお)を経て八幡で合流する黒俣川,大山に発し株田で合流する水見色(みずみいろ)川,新間の谷を流れる新間谷川,洞慶院近くの谷を流れ羽鳥で合流する久住谷川などがある。源流の大間(おおま)には落差135mとされる福養(ふくよう)の滝があり,またこの川の流域の山腹・谷底には古い地すべり・崩壊地形が数多く分布する。高位置集落も多く,大間・楢尾(ならお)本村・蛇塚・峰山などでは標高500~700m前後に集落が分布し,それらは大井川上流の井川本村の集落高度にほぼ匹敵する。本流では株田付近から下流で谷底平地が開ける。安倍川本流との合流点近くの河床には,木枯ノ森・舟山の2つの基盤岩の小丘が突出していて,このうち前者は歌の名所としてしられている。静岡市から藁科川―黒俣川―久能尾―蛇塚―洗沢峠を経て榛原郡本川根町千頭(せんず)に至る道(昭和50年国道362号に昇格)は,古くからの重要な交通路で,静岡から大井川中流部や寸又(すまた)峡への近道としてよく利用される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7115085