泉
【いずみ】

旧国名:尾張
(中世)鎌倉期から見える地名。尾張国葉栗郡のうち。嘉禎4年10月13日の尾塞某置文案に「いつミ」と見え,御家人尾塞氏5代相伝本領の1つである(石清水八幡宮菊大路家文書/一宮市史資料編6)。「証如上人日記」天文20年10月23日条に「尾州泉勝宝寺卅疋持参」と見える(石山本願寺日記上)。「信雄分限帳」によれば,「いつミ」のうち「西かいとう」や「こふはたの郷」は梶川弥三郎や尾塞掃部の知行地であった。現一宮市浅井町河端・浅井町西海戸あたりに比定される。なお,元徳元年12月22日長井道可(頼秀)譲状に「尾張国泉村〈在家一宇・野畠壱丁五反〉」とあるのは当地か未詳。嫡子貞頼に譲渡されたが,建武4年12月23日足利直義下知状では安堵外となっている(毛利家文書4/大日古)。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7115681 |