春日部郡東条
【かすかべぐんとうじょう】

旧国名:尾張

(古代)平安期に見える広域地名。尾張国春部郡のうち。康治２年８月19日の官宣旨案に，安食荘は「春日部東条」に所在したことが記されている（三宝院文書１／平遺2520）。天養元年９月29日の鳥羽院庁牒案によれば，尾張国の諸郡に散在する皇后宮職領を，「春日部東条」内の一所と替えるよう命じられている（円覚寺文書／同前2536）。同年10月20日の尾張国司庁宣案には，皇后宮職領諸郡散在畠地と替えられたのが「春日部東郡篠木郷田畠」であったことが見える（同前／同前2540）。春日部郡を東・西に分けたうちの東部分を指すと考えられるが，春日部郡西条の地名は史料に見えず，その境界は明確でない。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7117108