100辞書・辞典一括検索

JLogos

57

大部田
【おおべた】


旧国名:伊勢

古くは浜とも呼ばれ,また浜のうち京に近い場所なので上浜とも称した。志登茂川下流の西岸の低地に位置する。地名の由来は,大氏(多氏)の部民の根拠地であるとも伊勢神宮の戸田であるともいわれる部田の3郷のうち,伊勢街道沿いにある京に近い地であることにちなむという。上手丘陵地には上津部田がある(勢陽五鈴遺響)。塩屋の沖に夏・秋の夜に燐火が飛びかい,安濃(あのう)川から出た燐火と闘うように見え,鬼火と称したと伝えられる(三国地誌)。中世には内宮の塩浜があり4町3反で,3石を6・9・12月に納めた。また部田御厨があった(神鳳鈔)。往昔は集落が今の地から東西の海岸にあったが,明応7年地震のために海に没し,4~5町東の塩屋の地へ移住したという。
大部田村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
大部田(近代)】 明治22~24年の津市の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7125730