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御在所山
【ございしょやま】


御在所岳ともいう。鈴鹿山脈中部,三重郡菰野(こもの)町と滋賀県甲賀郡土山町・神崎郡永源寺町との境にある山。標高1,209.8m。三重・滋賀両県にまたがる鈴鹿連峰の中では御池岳(1,241m)・雨乞岳(1,238m)に次いで第3位であるが,伊勢平野から屹立する山容と中央部の高山であるところから鈴鹿山脈の主峰と目され,交通機関等も完備し登山客は最も多い。東麓の三滝川渓谷沿いの湯ノ山温泉(近鉄湯ノ山温泉駅前からバス)を登山基地として,ここから山頂までロープウエー,山頂から西峰まではリフトがある。当山をはじめ鈴鹿の山々は伊勢平野側へ急崖をなしているので眺望に恵まれ,浸食の進んだ渓谷や山腹には奇岩も多く,変化に富んだ登山コースが多い。特に当山北面は風化の遅れた花崗岩の大露岩が長さ500m・幅200mの大岩壁(藤内壁)をなし,ロッククライミングを試みる登山者が多い。山頂部は平坦で,ロックガーデン・自然植物園・カモシカセンター・ホテルなどの宿泊施設があり御在所岳山上公園となっているが,山頂部一帯は冬季スキー場となる。一般的な登山路としては湯ノ山温泉を起点とするもので,表登山道は一ノ谷をつめ当山の南面を,中登山道はロープウエーに沿って尾根筋を,裏登山道は蒼滝を経て藤内壁の北の渓谷をそれぞれ登攀する。他に武平(ぶへい)峠経由のものや,北麓の朝明渓谷(近鉄菰野駅前からバス)から山頂を目指すコースもある。当山は古来信仰の山であったらしく,山腹に冠峰山三岳寺跡がある。山名起源も一説には倭姫命が伊勢神宮を奉じて桑名野代宮から鈴鹿忍山宮に移られる途中当山に御在所された,とある。またアイヌ語に起源をもとめ,神々の鎮座する大きい広々とした山頂の尾根と解する説もある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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