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納所
【のうそ】


旧国名:伊勢

安濃(あのう)川下流部に位置する。安濃川の氾濫原にあたり広い水田地帯が広がる。地名の由来は,伊勢神宮の納所の1つであったことにちなむ。古刹神宮寺は平安期に建てられ,本堂を御倉堂と呼び,本尊は十一面観音,その両側に天照大神の化身である雨宝童子と春日明神が祀られている。現在の神宮寺は,津藩2代目藩主藤堂高次が大檀那となって建立したもので,津市内で現存する最古の建造物。また,慶長5年の銘がある枡が4個保存されている。縄文晩期から弥生時代・古墳時代を経て中世に至るまでの集落址である納所遺跡があり,県下でも屈指の大遺跡。昭和48年から同50年にかけて県教育委員会が発掘調査した結果,低地から木製農工具・狩猟具・琴状木製品・鐸型木製品・たて櫛など貴重な遺物が多数出土した(三重の遺跡)。
納所(中世)】 鎌倉期から見える地名。
納所村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
納所(近代)】 明治22年~昭和29年の大字名。
納所町(近代)】 昭和29年~現在の津市の町名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7128564