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野登村
【ののぼりむら】


(近代)明治22年~昭和29年の鈴鹿郡の自治体名。安楽川流域の安坂山村・両尾(ふたお)村・辺法寺村の3か村が合併して成立。旧村名を継承した3大字を編成。役場は両尾に設置。安楽越えをひかえた鈴鹿山麓の村で,畿内から東国への交通の要衝であった。野登の地名は,安坂山にある真言宗鶏足山野登寺に由来し,「曠野ヲ行尽シテ山上ニ登ル故ニ野登寺ト名ツクト云」(勢陽五鈴遺響)とある。安楽川流域の谷底平野における水田と段丘面の畑作,主として茶園で野登茶として知られている。上流の山林にも依存していた。大正2年の生産高は米5,148石・麦948石・茶2万貫・繭604石・桑8万7,700石・茶種448石(鈴鹿郡郷土誌稿本)。安楽川最上流部は渓谷美で知られ,山木六郎翁により「石水渓」と命名され,観光開発がすすめられてきた。鈴鹿国定公園の一部をなす。戸数・人口は,明治22年482・2,802,同39年548・3,359。世帯数・人口は,大正9年538・3,437,昭和15年607・2,878,同25年698・3,407。明治22年野登尋常小学校を両尾に設立,安坂山に分校を設けた。昭和22年野登中学校設立,同24年野登村他2か村組合立中部中学校となりその分校となる。昭和29年亀山市の一部となり,村制時の3大字は同市の町名に継承。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7128591