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万町
【よろずまち】


旧国名:伊勢

(近世~近代)江戸期~現在の町名。江戸期は津城下の1町。町人地。城の北,伊勢参宮街道が北から塔世橋を渡って城下に入る口に位置する。古くは,茅の生い茂る野原にできた町にちなんで茅町(加屋町)といい(伊藤又五郎日記抜書目録/津市史),城下北部の溝川の外にあった。寛文元年頃に改称。地名の由来は,いろいろな店や宿が軒を並べていたことによると伝えられる。人数は,寛文5年634(男307・女327),同9年601(男293・女308),元禄14年521(男247・女274)。八町・安濃(あの)郡方面への道の分岐点には常夜灯が建てられた。元治元年,神宮警衛の理由から門を建て番所を置くことになり,塔世町の惣構の門が移転させられる。課役として,大名通行時に橋から付番2人を出すこと,塔世川の水害時などに人夫を出すことなどがある(明治3年町別課役取調書要領/津市史)。明治3年の各町境調によると,番所から馬場までは塔世村年貢地となっている(津市史)。戸数は,明治5年105,同17年116。同22年津市に所属。同30年塔世橋南詰に三重県農工銀行が開設。昭和8年から始まった国道1号(現国道23号)の拡張工事にともない,塔世橋はコンクリート橋として架け換えられ,国道も昭和9~11年の間に幅20mに拡幅された。昭和20年7月の空襲で当町は焼失。復興にあたり国道はさらに幅50mに拡幅。昭和29年の世帯数77,以後の世帯数・人口は,同36年79・336,同44年84・320。農工銀行跡地には昭和34年三重市町村会館が完成。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7129963