蓮池
【はすいけ】

近江八幡市田中江町字十林寺にあった池。十林寺は定林寺の転訛で，延暦寺別院として七堂伽藍を備えた薬師堂定林寺があった。この境内に広大な蓮池があり，この蓮は弘法大師が唐から持ち帰ったものと伝える。寺は明応５年か元亀元年の兵火で大半が焼失，薬師堂と蓮池の一部が現存。毎年蓮の開花がみられる。薬師堂には明治42年国宝指定された薬師如来が安置されており，また，付近の畑の中には当時の定林寺時代のものと思われる石燈籠・石垣がある。蓮池はもと７m四方の方形であったが，現在半分以上が埋め立てられている。この池の南に100m(^2)余の白蓮の池があったというが，現在は水田となっている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7134502