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大日山
【だいにちやま】


京都市左京区南端,東山・山科(やましな)区との境に位置する。標高310m。東方に京阪大津線が通じ,南方には日向大神宮がある。東山三十六峰の中央部にあたり,古生層からなる。古くは東岩倉(蔵)山と呼ばれていた。山名は,山頂に大日如来像が安置されていたことに由来する。明治維新頃まで山中に大日堂があったというが,現存しない。古称の東岩倉山は,京城の四方の山で,西・南・北岩倉とともに,大乗経を納めた岩倉(石蔵)をもち,王城鎮護の位置にあったことによる。全山国有林で,周囲は歴史的風土特別保存地区に指定されている。山頂からは四方の見通しが良かったので豊臣秀吉が砦を設けた(雍州府志)というが,現在は樹林の繁茂で西麓の蹴上一帯と,南方の山科盆地周辺を望めるにすぎない。山腹には,市営墓地がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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