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比叡山
【ひえいざん】


叡山・北嶺・日枝ノ山ともいう。京都市左京区と滋賀県大津市の境に位置する山。山頂は東西に分かれ,大比叡ケ岳(848.3m)とすぐ西方の四明岳(838.8m)。北側へは釈迦ケ岳(750m)・横高山(765m)・水井山(794.1m)・仰木峠(574m)・大尾山(681.4m)が連なり,南側は如意ケ岳(474m)・大文字山(466m)と対峙する。一帯は風致地域・歴史的風土特別保存地域に指定され,琵琶湖国定公園の一部。山頂一帯は古生層が花崗岩の貫入を受けホルンフェルス化し,堅硬化した部分にあたっているため,地塁山地の上にいちだんと高くそびえている。とくに京都市街から眺める姿は雄大で,東山三十六峰の北側に位置し,古来京都を代表する川は鴨川,山は比叡山といわれ,親しまれてきた。山頂付近には,延暦年間天台宗の開祖最澄によって比叡山寺(延暦寺)が創建され,以後東塔・西塔・横川を中心に三千坊と呼ばれた多数の堂塔を有する聖山と化した。元亀2年織田信長の兵火によって諸堂塔の大半を焼失した。その後,豊臣秀吉・徳川家康によって再建され,今日に至っている。山頂域は京都・近江両盆地一帯にかけての絶好の展望地であるため,早くから観光地としての開発が進んだ。古くは主として山麓の修学院から雲母坂を登り山頂へ達していたが,昭和初年に八瀬からケーブルカーが敷設され,さらにロープウエーによって四明岳山頂への登山が容易になった。第2次大戦後は北白川から山中越えを経て山頂へ通じる比叡山ドライブウエーが昭和33年に開通。さらに昭和39年の琵琶湖大橋の架橋により,比叡山ドライブウエーとを結ぶ奥比叡ドライブウエーも開通。この間にゴルフ場・回転展望台・人工スキー場・ホテル・アスレチックなどの施設が次々と整えられ,多彩なレクリエーション地域となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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