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愛隣
【あいりん】


大阪市西成区,国鉄環状線新今宮駅南側一帯の汎称地名。一般にはあいりん地区と呼ばれ,もとは釜ケ崎といった。東京の山谷と並称される簡易宿泊所集在地(ドヤ街)がある。明治36年第5回内国勧業博覧会開催時に市内から失業者などがこの地に移住したのが地区形成のはじめといわれる。当時ここは今宮村で,大阪市街の縁辺部に当たり,以後の大阪市街の拡大につれて商工住混在地区となったが,都市流入人口の一時的滞留地,都市的産業失業者の滞留地としての性格を存続させ,雑役的臨時的な単純労働力を供給している。昭和44年大阪社会学研究会の調査によれば,簡易宿泊施設543,バラック住宅360,併用住宅1,262,商店857などで,人口3万2,000(推定はさらに多い)であり,環境改善,社会福祉の施策が要請される。市の福祉対策の一環として愛隣会館・更生相談所が置かれ,昭和45年に愛隣総合センターが建設されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7147120