100辞書・辞典一括検索

JLogos

21

神崎川
【かんざきがわ】


三国川とも称した(続日本紀)。大阪平野北部を西流する淀川の分流。指定流路延長18.6km。摂津市一津屋(ひとつや)の樋門から流入し,吹田(すいた)市高浜橋付近で北摂山地からの安威(あい)川,兵庫県尼崎市神崎町で猪名川を合わせ,最下流部では左門殿(さもんど)川と中島川を分流して大阪湾に注ぐ。延暦4年,洪水防止のための改修工事によって淀川の水を三国川へ通じることにした(同前)。三国川は,かつて味生(あじふ)村一津屋において淀川から分流し,別府村を経て味舌(ました)村味舌下で安威川と合流していた。この河道は著しく蛇行していたために水害が頻発し,明治11年,河道の直線化工事が実施された。この工事によって,一津屋から吹田市高浜まで西に向かって直進する延長2,750m,幅72.5mの現河道となった。当川への淀川の流入によって,淀川河口の難波津はさびれ,代わって当川が京都と西海を結ぶ舟運の要路となり,淀川分流点の江口をはじめ,高浜・神崎・加島などが河港として栄えた。高浜は,古くは京の北山,宇治の槇島,難波の四天王寺と並び称された景勝の地であったが,今日ではまったくその面影はない。昭和初期から河畔の水利を求めた製紙・製薬化学・機械製造の工場が進出し,河岸一帯は大阪北部工業地域の中核になっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7148909