田尻川
【たじりがわ】

猪名(いな)川の支流。「たしりがわ」ともいい，豊能(とよの)郡能勢町倉垣を流れるところから，倉垣川ともいう。指定流路延長8.3km。京都府亀岡市と能勢町の境界に位置する釈迦ケ岳に発し，倉垣の小盆地を貫流して，兵庫県川西市との境界付近，一庫(ひとくら)ダム（建設中）上流部で野間川を合わせ，兵庫県川西市出合い付近で一庫・大路次(おおろじ)川（能勢川ともいう）に合流する。河川名は田尻地区を流れる川にちなむ。下流の田尻を中心とする地域一帯は，かつて寒天製造の盛んな所で，明治年間，田尻には19工場，40釜があったと記録されている。下流域右岸山麓には兵庫築港人柱伝説で有名な松王児童の墓がある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7151269