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豊浦
【とようら】


旧国名:河内

古くは「とゆら」と称したという。恩智川中流右岸,生駒(いこま)山に発する豊浦谷沿いの山間から,その西麓の扇状地・平地にかけて位置する。地名の由来は,原始・古代に河内湾・河内潟が入り組んで浦を形成していたことによるという。地内西方には縄文晩期から弥生時代の鬼塚遺跡がある。また東方生駒山地には暗峠(くらがりとうげ)がある。地内の髪切(こぎり)は神切とも書き,平安期に創建された古寺髪切山慈光寺がある。同寺の縁起によると往昔生駒山中に前鬼・後鬼が棲み,近隣の村里を荒らしまわって人々を苦しめたが,役行者が両鬼の髪を切ってこれを懲らしめたという。境内は府の名勝に指定されており,正応5年11月24日の銘のある古鐘には「河内国河内郡葛木北峰慈光寺字神切山鐘也,本鐘奉祷年号承保二年乙卯七月八日奉祷鐘」と見え,さらに同年に改鋳したことが知られる(大阪府史蹟名勝天然記念物3)。
豊浦郷(古代)】 奈良期~平安期に見える郷名。
豊浦郷(中世)】 鎌倉期に見える郷名。
豊浦村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
豊浦(近代)】 明治22年~昭和30年の大字名。
豊浦町(近代)】 昭和30年~現在の町名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7151961