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錦部郡
【にしごりぐん】


旧国名:河内

古代~近代の郡名。河内国に属す。錦織とも書き,「和名抄」の訓は「爾之古里」。「郡名考」は「ニシキベ」と読む。大阪府の南東部に位置する。北は丹南郡,東は石川郡,南は紀伊国伊都郡,西は和泉国大鳥郡・和泉郡に接する。郡南部は金剛山地・和泉山地からなり,両山地に源を発する三日市川・西条川が郡中央部で合流して石川となり,石川谷と呼ばれる細長い堆積平野を形成しつつ北に蛇行する。また,郡北西部には羽曳野(はびきの)丘陵の南半部が横たわる。
(古代)古く,紺口県主が置かれた地であったが,建郡を直接示す史料はなく,郡名の初見は「続日本紀」文武天皇3年3月9日条の「河内国献白鳩,詔免錦部郡一年租役」との記事。
(中世)当郡の荘園としては,治田野荘・高田荘・甲斐荘・伏見荘のほか,宇礼志荘・長野荘・高向【たこう】荘・観心寺荘などがあった。
(近世)正保郷帳の写と考えられる承応2年3月の河内国一国村高控帳(浅尾家文書)によると,当郡の石高は1万5,541石余。
(近代)明治12~29年の郡名。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7152539