甲子園浜
【こうしえんはま】

西宮市浜甲子園地区地先の砂浜。甲子園地区一帯は，大正年間に行われた武庫川の改修工事によって廃川となった枝川と申川の旧河床で，大正11年に阪神電鉄に払い下げられた。同電鉄は住宅地を開き，野球場を中心にテニスコートやプールなどのスポーツ施設を設け，また阪神パークをつくって地域全体を整備した。甲子園の地名は，甲子の年（大正13年）に完成した野球場の名前に由来する。甲子園浜は昭和20年代までは海水浴場としてにぎわったが，海水の汚濁と海面の埋立てによって衰退した。なお，甲子園浜の埋立てについては，住民の激しい反対運動があり，昭和52年から足かけ６年間に及ぶ西宮・甲子園浜訴訟を経て，同57年一応の和解に達し，埋立地は縮小された。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7158208