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大物川
【だいもつがわ】


尼崎市の東部を流れていた川。猪名川,神崎川の運ぶ土砂により形成された沖積地内を流れる名残川ともいえる。現在のJR尼崎駅の南を南流し,阪神大物駅付近より南東に流れていた。室町末期にはその先で海に注いでいたが,その後の土砂堆積により,東町の東部が拡張され,海川と呼ばれていた砂州の間の水路状の川とつながり,大物浜に沿って大きく蛇行する形となって,現在の庄下橋付近で庄下川と合流していた。江戸期に尼崎藩主となった戸田氏鉄はこの河川を利用して尼崎城,城下町を築いたが,明治期に城取壊しとなり,堀の一部も埋め立てられ,現在の南城内と東本町の間を南流する形に変わった。その後,尼崎の工業発展により,他河川と同様公害に見舞われ汚染が進んだ。昭和40年埋立て工事が始まり,同45年12月末完成。大物川とその支流長洲川・大門川・常光寺川などを含めた7万1,909.38m(^2)が埋め立てられた。現在,埋立地には産業郷土会館・公園・道路などが建設されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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