福良
【ふくら】

旧国名:淡路
福良湾岸に位置し,向谷川・長見川が流れる。地名は,風の吹く裏側(風陰)に由来し,これが転訛したものとみられる。古代から南海道の阿波国に至る渡船場で,馬宿の地名が残る。また,海岸沿いには一丁目・二丁目・納屋丁・備前丁・中ノ丁・戎丁・住吉丁・分一丁・網屋丁・柳川丁・谷川丁・十軒屋などの通称があり,かつては町場として栄えたことをうかがわせる。鶴島の頂上には鶴島城址があり,港の入口に源平合戦の平氏悲話伝説をもつ煙島がある。「日本後紀」延暦18年6月16日条に見える「従五位下淡路真人福良麻呂」は当地に所縁の人か。
【福良荘(中世)】 鎌倉期~室町期に見える荘園名。
【福良浦(近世)】 江戸期~明治22年の浦名。
【福良町(近代)】 明治22年~昭和30年の三原郡の自治体名。
【福良(近代)】 昭和30年~現在の南淡町の大字名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7163297 |




