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別所
【べっしょ】


旧国名:摂津

武庫(むこ)平野南部,庄下川右岸に位置する。鎌倉期の文治年間以降,東大寺再建事業に着手した勧進聖俊乗房重源上人は大仏殿の再建にあたって,別所と呼ばれる事務所を設けたという。尼崎に別所が置かれたことを示す史料はないが,周防国佐波郡の阿弥陀寺を基地に,海路輸送されてきた材木の数量を尼崎の東大寺木屋所で点検したことが,「阿弥陀寺略縁起」(尼崎市史4)に記されている。東大寺木屋所もまた別所と称し,それが地名の由来となったのであろう。別所は勧進聖の聖域とも,丈六の阿弥陀仏を安置する地とも理解されている。
別所(中世)】 室町期から見える地名。
別所村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
別所(近代)】 明治22年~昭和10年の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7163468