男淵女淵
【おぶちめぶち】

高市郡明日香村栢森にある２つの淵をさす。稲淵川をさかのぼり，栢森から１km程の上流に，小字女淵がある。男淵は女淵から上流約1.5kmの地点にあり，栃の大樹が茂っていたところを栃ケ淵といったが，その字名が転じたものと思われる。男淵と称される付近には滝や淵があるが，女淵の周りは荒れている。「大和志」には，ともに畑村にあり，皇極天皇元年８月南淵の河上へ行幸し，跪き四方を拝し，天を仰ぎ雨を祈ると，たちまち雷が鳴り，大雨が５日降り，天下をあまねく潤し，百姓たちが万歳を称えたのはこことある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7166004