100辞書・辞典一括検索

JLogos

16

風屋ダム
【かざやだむ】


吉野郡十津川村風屋と野尻にまたがるダム。吉野・熊野特定地域総合開発事業により,電源開発が建設した重力式ダム。堤高101.0m,堤長329.5m,総貯水量1億3,000万m(^3)。十津川中流部の十津川村風屋(左岸)・野尻(右岸)で堰き止め,湛水面積4.46km(^2)のダム湖は風屋貯水池と呼ばれている。昭和33年に着工,総工費164億円をかけて同35年に完成。当ダムは,明治22年の大水害で土砂に埋った風屋滝のあった所で,谷の地形に沿って屈曲し,上流16kmにも達する狭長な貯水池が生じた。またダムの完成より約30年を経過した現在,土砂の堆積による水質汚濁や河床上昇などの新たな問題も生じている。一方,十津川村内原には,支流の滝川の流れを堰き止めて風屋ダムへと導水する奥里ダム(取水ダム)が,同じく電源開発によって昭和35年建設された。奥里ダムは堤高20.5m,堤長81.3m,総貯水量17万5,000m(^3)のアーチ式ダム。このようにして風屋ダムに貯えられた水は,導水路を通って,約8km下流の十津川第1発電所(十津川村小原)に送られ発電される。ダム水路式による発電で,有効落差は144.23m,最大使用水量毎秒60m(^3)で,7万5,000kwの最大出力を誇っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7166081