北野
【きたの】

旧国名:大和
深川と布目川が合流する地域の右岸に位置する。地名の由来は,神野山北麓に立地することにちなむと思われる。布目川沿いのウチカタビロ遺跡からは神宮式土器や石鏃などとともに有舌尖頭器が出土し,縄文早期の遺跡として知られる。菅原道真を祭神とする天神社の本殿(国重文)には棟札が18枚現存し,最古の棟札には天正6年5人の殿衆が天満宮社殿を造営したと書かれ,これが社殿の創立と伝えられてきた。境内には室町期の石灯籠1基が立つ。個人蔵で室町末期の作とみられる能面3面があり,県文化財に指定されている。極楽院は天神社の宮坊で,室町期作の帝釈天像を残す。牛ケ峰集落の背後山頂近くに大日如来磨崖仏と桝形石がある。磨崖仏は金剛界大日如来線彫で室町初期の作とみられ,像が刻まれた巨岩の下は岩屋(岩窟)になっており,真言密教の行場とされた。岩屋内には護摩壇や弘法大師石像・役行者石像が安置され,大永6年銘の板五輪塔や天正8年銘の五輪塔もある。桝形石と称される巨岩の岩壁には弘法大師の作と伝えられる扉石をつけた桝形石室がある。このなかに「応永」の墨書がある木製円鏡が御正体として安置されていたと伝えられ,現在は民間で保管されている。伊勢本街道に面した字下堂には建武5年の銘の入った地蔵磨崖仏があり,ホーラク(法楽)地蔵と呼ばれている。
【北野荘(中世)】 鎌倉期から見える荘園名。
【北野村(近世)】 江戸期の村名。
【北野村(近代)】 明治9~22年の村名。
【北野(近代)】 明治22年~現在の大字名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7166495 |




