金勝寺
【きんしょうじ】

生駒郡平群(へぐり)町椣原(しではら)にある寺。真言宗室生寺派。山号は椣原山。本尊は薬師如来。惣門を入ると,金堂・阿弥陀堂・護摩堂・庫裏・宝庫・鎮守社などがある。金堂には本尊のほか日光・月光両脇侍,十二神将・地蔵菩薩などを祀る。本尊は藤原期の作。護摩堂内に大日如来座像・阿弥陀如来立像・十一面観音像などを安置する。当寺は再三の火災のため古い建造物は残らないが,寺宝は数多い。旧金堂の鰐口には銘帯左右に「大和国平群平野庄,大永二年壬午正月十六日金勝寺」と刻まれていて,金堂の再建時を知ることができる。唐草花喰文磬は,鎌倉初期の秀作とみられる。そのほか境内には鎌倉後期の石造十三重塔や五輪塔がある。また岩壁に刻まれた大小14体の磨崖仏があり,康正2年や天正16年の銘が読みとれる。当寺は寺伝では,天平18年行基菩薩の創建といい,寺領は700石,金堂・講堂・食堂・三重塔などの伽藍を完備し,塔頭坊舎36坊を数えた。天正年間松永久秀の焼打ちによってことごとく焼失,寺領も没収された。現在の建造物は寛文5年,明治35年の再興。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7166610 |




