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千股
【ちまた】


旧国名:大和

吉野川支流千股川流域に位置する。古代から吉野と奈良盆地を結ぶ交通の要衝であった。「ちまた」は道又で道の分岐する所,すなわち辻と同義という(吉野町史)。千股川は竜門山地に深く浸食し,これを遡上すれば芋ケ峠に達し,飛鳥方面と結ばれている。芋ケ峠は,細峠・竜在峠・壺坂峠・芦原峠とともに竜門山地を越えて奈良盆地(国中地方)と結ぶ峠道で,古くから開かれていた。飛鳥地方に都した持統天皇は三十数回も吉野に行幸したが,芋ケ峠越しが最も利用されたという(同前)。「万葉集」巻1の「宇治間山朝風寒し旅にして衣貸すべき妹もあらなくに」(75)と詠まれた宇治間山を千股に比定する説もある(大和志料下)。芋ケ峠越の道は岡街道と呼ばれ,国中方面から吉野詣・山上詣の最短コースとしてにぎわった。国学者本居宣長も吉野詣の途中,この地で泊したことが「菅笠日記」に見える(県綜合文化調査報告書)。
知又荘(中世)】 室町期から見える荘園名。
千股村(近代)】 明治12~22年の村名。
千股(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7168045