梨木峠
【なしのきとうげ】

伊都(いと)郡九度山町九度山と河根(かね)の境にある峠。峠道は町道。標高180m。高野山への物資輸送は，開祖以来高野町石道が中心であったが，江戸中期に九度山から当峠を越える新道が開かれ，以後重要な役割を果たしてきた。しかし，明治20年九度山から丹生(にう)川に沿う雨の森街道が新設され峠はその役目を終えた。現在は里道として河根住民の交通路にわずかに利用されているにすぎない。峠からは北に九度山・高野口の街が一望でき，付近一帯は柿畑に利用され九度山の富有柿の中心地となっている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7172769