和歌川
【わかがわ】

雑賀(さいか)川ともいう。和歌山市北休賀町，大門川と堀川が合流する付近から広瀬地区を南流し，和歌浦湾に注ぐまでの２級河川。延長7.71km。紀ノ川の旧河道で河口に砂嘴（片男波）を形成している。和歌山城築城の折，紀ノ川と和歌川の間に堀川を開削し，城下町の舟運の便を開き，合わせて有事のための外濠としての役割を持たせた。市街地を貫流しているため工場や家庭廃水，貯木によるヘドロなどで水質汚濁が著しく，環境基準類型は最下位のＥ指定を受けた（昭和56年度県公害白書）。浄化のため現在は紀ノ川の水と海水が合計毎秒18tポンプアップされているが，河口の養殖海苔を保護するために仮堰が設けられているため，ヘドロの除去は困難である。昭和57年には市当局の内川浄化対策組織が新設され，住民運動の「内川をきれいにする会」や県とともに協力して浄化に取り組んでいる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7174037