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栃本
【とちもと】


旧国名:因幡

酒賀神社の古記には「土地本」と記す。袋川の上流,扇ノ山高原の山すそ段丘一帯に位置する。中世には酒賀神社の社領であったといわれ,時代は不詳であるが,中世以前に大石川合流点に突出する地内向山の山腹に酒賀神社を奉遷した時代があると伝承し,故地も残す。東部の大石川上流右岸に栃本廃寺塔跡があり,仏舎利孔を穿った東西両塔の心礎を残し,近世まで塔ノ丘と呼んだ基壇小丘も存在したと伝わる。また東福寺と呼んだという古代伽藍遺跡がある(因幡志・県郷土史)。酒賀神社奉遷地と伝える山腹には,T字型で線刻壁画の残る石室をはじめ7基の破壊された後期古墳の石室が残る。
とち本(中世)】 戦国期に見える地名。
栃本村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
栃本(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7176114