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ダイヤモンドケーブ
【だいやもんどけーぶ】


川上郡備中町の布瀬川沿い,盤窟(いわや)渓南岸の岸壁にある吐出・閉塞型の鍾乳洞(石灰洞)。通称天の岩屋と呼ばれている鍾乳洞の奥を昭和41年爆破したところ,全長300mに達する新洞が発見された。同43年山内浩ら愛媛大学学術探険部により調査され,小粒ながら貴重で美しいという意味で,ダイヤモンド・ケーブと命名された。洞口は高さ4.5m,幅3.5mで2つの入口がある。洞窟はほぼ西南西に延びる断層により形成されたもので,断層が一直線に延びている。入口より約280mで直角に曲がり,屈曲部は高さ13mの煙突のあるホールとなっている。ここより天井は低く偏平で水流は蛇行し,最奥部は天井が水面に接している。二次生成物は旧洞では太く短いつらら石が多く,著しく風化している。新洞はいままで人の眼にふれていないため破壊されることが少なく,まことに美しく自然の造形の妙に感嘆させられる。日本屈指の曲がり石群(ヘリクタイト・ヘリグマイト)はまるで菊の花弁を思わせ,細長く延びた鍾乳管には1.15mに達するものがある。つらら石・石筍・石柱・フローストーン・球状サンゴ・枝状サンゴ・石灰華など種類も豊富である。県内三鍾乳洞の1つ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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