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前島
【まえじま】


牛窓諸島の主島。邑久(おく)郡牛窓町牛窓から牛窓瀬戸(唐琴の瀬戸)を隔てた250mの沖合に浮かぶ。東西約3.6km,南北約660m,周囲約9.8km,面積約2.5km(^2),最高点標高137m。花崗岩よりなる丘陵性の島で,古くは塵輪(ちんりん)島と称した。神功皇后三韓遠征の途上,妨害をした塵輪鬼の死骸が固まって島をなしたともいい,また塵輪鬼は牛鬼の本身で,島の西南端の洞窟に住み,航海の船を悩ましたのでこの名がついたとも伝えられている。丘陵の西半部は段々畑でキャベツなどの栽培が盛んである。昭和40年頃より乳牛が導入され,トウモロコシ・牧草などもつくられている。東半部は起伏が大きく,松林が続き,東端網代崎近くに小規模な農地が開けている。東部丘陵の中央部に大坂城築城のときの残石群があり,東端近くに江戸期ののろし台跡があり,参勤交代の大名の船に夜間のろしをあげて合図をしていたところである。集落は西半分の丘陵上にあり,民宿施設もある。ここに財団法人モラロジー研究所の社会教育センターがある。瀬戸内海国立公園に属し,風光明媚な地で,夏の海水浴,キャンプのほか四季を通じての観光客が多く,ハイキングやサイクリングのコースや遊歩道なども設置されている。昭和45年からカーフェリーが就航している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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