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松島
【まつしま】


倉敷市下津井に属し,鷲羽山山麓大浜海岸の南方に浮かぶ島。田之浦港より1.5kmにある面積0.08km(^2)の東西に長い小島。島名は潮待つ島から来たものであろう(岡山の古戦場)。また松が多いところから名づけられたともいわれる(岡山地名事典)。北岸は断崖の連続であるが,南岸に良港の松島漁港がある。島の東部が最高所で標高26.6mあり,そこに純友神社がある。伝承によると平安期,藤原純友の弟,純基がここに居城を構え,伊予の純友と呼応して新政府軍に抵抗したという。その後もこのあたりは塩飽諸島を根城とする塩飽海賊衆の縄張りだった。釜島と松島の間にある岩礁のコシキや,松島と櫃石島の間の鳴瀬は純友が築いた暗礁だとの伝承もある。純友神社がいつ頃から祀られたかは不明だが,いまは盗賊除けの神様となっている。近世初期に島は無人島となり,六口島・釜島とともに讃岐塩飽諸島との間に帰属争いがあったが,正保3年備前藩領と認められ,解決した。「児島郡誌」によると,島には享保年間に2戸・9人,明治8年は5戸・24人,明治41年には6戸・28人居住す,などとある。昭和60年の市統計では人口36人である。これは市役所下津井支所所属の島嶼中最大ではあるが,下津井西小学校松島分校では昭和61年現在,児童1人,教諭1人の教育が行われている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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