日野滝
【ひのたき】

日之瀑とも書く（芸藩通志）。庄原市川北町にある滝。市北西部を南流する比和川支谷に懸かる。標高350m，落差約18m。白亜紀の流紋岩が分布する標高500mあまりの平坦面が広がり，比和川沿いは急斜面が連続する。台地を削る谷頭に懸かり，谷は深い広葉樹に覆われ，小谷であるが，水量多く壮観な渓谷をなす。滝壺近くに残る石垣は，神社跡である。木造の観音像を安置する日ノ滝観音は，現在でも，安産や火傷治癒で有名。滝壺の穴は，南方３kmの庄原市門出(もんで)を流れる西城川の深淵（姫飲淵）に通じ，大蛇が往来していたという伝説がある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7190599