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宇生賀盆地
【うぶかぼんち】


県北部の阿武(あぶ)高原にある火山性埋積湖盆。日本海へ注ぐ大井川と阿武川の支流蔵目喜(ぞうめき)川に挟まれた地域では,アルカリ性の玄武岩を主とした第四紀火山の噴出が著しく,火山丘・溶岩台地・溶岩流などによって河川がせきとめられたり,流路変更をさせられた特異な景観が見られる。宇生賀盆地は,大井川の支流宇生賀川が,洪積世後期に阿武町宇生賀の西方にあるナベ山の噴火で最終的にせきとめられて生じた湖沼起源の山間盆地で,標高は約400m。盆地出口付近の流紋岩質岩石を除き,周囲には玄武岩の溶岩台地が広がる。東側の西台は採草地,それに続く東台は道祖ケ原とともに阿武郡むつみ村側が自衛隊演習地として利用されている。乏水性の台上に対し,盆地内は周囲の溶岩からの湧泉が数か所あり,灌漑用水池の整備もあって120haの穀倉地帯をなしている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7192024