上分
【かみぶん】
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(近代)昭和30年~現在の神山町の大字名。もとは上分上山村。昭和41年川井トンネルが開通し木屋平(こやだいら)村と連絡,さらに同42年には木沢・神山関連林道が開通,那賀郡木沢村をはじめ那賀奥地方との連絡が便利になった。昭和48年神通発電所廃止。同46年県立神山青少年野外活動センター開所。同49年台風による集中豪雨のため被害が続出,とくに地内府殿上の住民約20戸は阿野に集団移転した。昭和30年には世帯数675・人口3,492を擁していたが,同40年代以降急速に過疎化が進行し,住民の挙家離村があいついだ。世帯数・人口は,昭和40年643・3,081,同50年495・1,698と激減し,この10年間の戸数減少率23%,人口減少率は実に45%に達した。昭和60年の世帯数438・人口1,405。現在製茶・梅・シメジ栽培などを中心に特産物生産が活発であるが,過疎化対策とそれに伴う若年労働力の確保が最大の課題となっている。
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![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7195684 |