契川
【ちぎりがわ】

伊予三島市上柏町の法皇山麓北面に源を発し，川之江市妻鳥(めんどり)町を北流し，燧(ひうち)灘に注ぐ川。流長5.41km。川名は，允恭天皇第１皇子木梨軽皇子と軽大郎女の愛の契りの伝説に由来する。流域は宇摩(うま)平野東部の大扇状地を形成する。水源が狭く，古来から旱魃に悩まされてきたので，土居池・恋池をはじめとする多くの溜池が散在する。扇頂付近は「和名抄」にいう山口郷の中心地で，木梨軽皇子の陵墓と比定される東宮山古墳や山口古墳群がある。中・下流域には条里制の遺構が認められる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7202126