100辞書・辞典一括検索

JLogos

28

東平
【とうなる】


新居浜(にいはま)市立川山(たつかわやま)の南部にあった別子(べつし)銅山の旧鉱山集落名。東平・呉木(くれき)・辷坂(すべりざか)・第三・喜三谷(きみだに)の総称。新居浜平野と燧(ひうち)灘が見下ろせる海抜650~800mの山腹にあった。明治35年東平に鉱石を出す第3通洞と選鉱場が完成して集落が発生。同36年の戸数49。同39年私立住友東平尋常高等小学校が発足。大正5年691戸・人口2,000人余。端出場(はでば)に選鉱場が完成する昭和2年までがピークで,同3年308戸,同5年260戸,同25年204戸。山腹急斜面に,病院・郵便局・接待館などのほか,トタンぶきの社宅が階段状に並んでいた。鉱石は端出場まで索道で運んだが,人々の往来はすべて徒歩。別子山村の日浦(ひのうら)までは,カゴ電車が約30分で結んでいた。同43年閉山。現在,建物は全く残っていない。別子ラインを経て自動車でも行けるようになった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7202272