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塔峰
【とうのみね】


塔の峰とも書く。越智(おち)郡波方(なみかた)町の北方,大角(おおすみ)鼻近くの山。標高149.8m。山頂近くまで車道が通じ,展望台がある。360°の視界が楽しめ,特に大角鼻から芸予の島々の眺め,来島(くるしま)海峡の景観はすばらしく,瀬戸内海国立公園に含まれている。花崗岩・閃緑岩・安山岩等多くの岩石や鉱物,また植物の採集地としても知られる。山麓には縄文・弥生・古墳各期の遺跡があるが,近年は土塁・堀切り・巨大列石等の遺構から古代山城跡として注目されている。山頂には来島家ゆかりの小祠を祀るが,戦国期には高縄半島北端の要衝として重要な位置を占めたものと思われる。日清戦争後,日露の戦いを予想して小島(おしま)に芸予要塞が築かれたが,塔峰周辺もその第三区域に編入されて種々の制限を受けた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7202274